2008年8月29日金曜日

やさしいラッキー


8/19
久しぶりにラッキーの事を書こう。
何から書き始めようか。
そのとたんに、またまた停電である。
確か、前は爆弾テロで中断した。
ラッキーの事を書こうとすると何がしかのハプニングが起こる。
何か、妙なめぐり合わせを感じる。

電気が復旧したので気を取り直して、ラッキーの事を書く。
私は、犬の種類には余り詳しくないのでラッキーがなんと言う犬かはわからない。
大きくて白と黒の斑模様である。
ちょっと、イギリスで狩に使っている犬に似ている。
なぜ、名前がラッキーなのかは知らない。
ラッキーの左目は赤い。
なぜ、目が赤いかは知らない。
ラッキーについては、知らない事ばかりである。

最初、ラッキーに会った時は、正直、とても怖かった。
子牛のような体をしている。
体当たりされたら、ひとたまりもない。
まして、噛みつかれでもしたら。
しかし、性格は極めておとなしい。
番犬なので吠える事は吠える。
その声は体のせいで周囲を圧倒する。
ワンワンなどというかわいらしいものではない。
変に篭ったようなウォーンといったような感じか。
アフリカに行った事がある人なら、サバンナで聞いた事があるかも知れない。
カタカタではうまく言い表せない。

ラッキーが必ず吠える場合が二つある。
一つは、牛の群れが前の道を通る時である。
この群れは17-8頭であるが、不思議な事に人間はいない。
牛達だけで整然と歩いている。
世の中を超越しているかの様である。
何処へ、何しに行くのかは皆目、検討がつかない。
多分、どこに行くのかタミル語で聞いても答えてはくれないであろう。
彼らが野良牛ではない事は、体の汚れで分かる。
また、独立記念日の時にはツノにインド国旗を付けていた。

二つ目は、人間に対して吠える場合である。
インドでは水に細心の注意が必要であり飲み水や台所ではミネラルウォータを使用している。
このミネラルウォータの配達人にはなぜか吠える。
マヘッシュさんの奥さんの話では、以前、この配達人がラッキーをこっぴどく苛めたらしい。
それ以来、彼には異常と思われるくらい吠えるようになったらしい。
配達人は身長が160cmくらいでラッキーと余り変わらない。
ラッキーが本気になれば、なんという事はないだろう。
しかし、ラッキーは只吠えているだけである。
こんな所にもラッキーのやさしさが現れている。

私はラッキーが好きだ。
これまで、インドで出会った生き物でラッキーだけは嘘を言わない。
他の生き物は、隙さえあれば騙そうと虎視眈々と狙っている。
ラッキーはインドに住んでいるが、そんなそぶりは微塵も見せない。
ラッキーは、私が心を許せる、数少ないインドでの生き物である。

0 件のコメント: