2008年8月30日土曜日

屋外制手工業が盛んなバンガロール


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HSR layoutの続編。
今、HSR layoutは建設ラッシュである。
通常なら、ここは住宅地なので建築ラッシュと書くところだが、なにせ建物が皆大きい。
敷地は優に200坪から400坪はあり、そこに、3階から4階建ての住宅である。
これは、建築の粋を超えて建設の域に入る。

また、その建て方が凄まじい。
ほとんどが手仕事である。
家内制手工業というのは社会の時間に習って知っていたが、屋外制手工業というのがあることはここに来るまでは知らなかった。

まず、基礎と地下の車庫を作るために巨大な穴を掘る。
これは鍬を小さくしたような簡単な道具でまるで、そこに金脈があるかのように一目散に掘る。
掘り出した土は、頭の上の笊を乗せて運ぶ。
セメントは、現地でタンクローリの上にある機械を使って作る。
セメントを作る段階で初めて機械らしいものが登場する。
なにせ、巨大な穴と大住宅である。
必要とするセメントの量は半端な量ではない。
現場の近くにはセメントの材料である砂が山となって置かれている。
風のある日には、この砂が風に乗って容赦なく飛び込んでくる。
窓を開けていなくても1日で床や机上は砂埃で覆われてしまう。
一番、被害にあうのはパソコンなどのコンピュータ機器である。
使用しているときはしょうがないが、使っていないときは全体を布で覆ってクローゼットの中に入れてある。
それでも、砂埃がつく。
富士通も高齢者向けのパソコンや携帯電話を開発しているが、砂漠仕様のパソコンも開発すれば売れるかも知れない。

基礎が完成すると、次は床と壁を立ち上げる。
外見からは分からないが、壁はコンクリートではなくレンガかブロックを積み重ねただけである。
四方の柱には、申し訳なさそうに鉄筋が入っているが壁には鉄筋は入っていない。
全力で壁に体当たりすれば、そのまま壁と一緒に落下するように設計してあるとしか思えない。
もっとも、意味もなく体当たりなどする人はインドにはいないだろうし、地震もない国なのでこのやりかたで十分なのであろう。
当然、建築基準法のような法律はあるだろうが、こんな法律は賄賂の前には何の役にも立たない。

一方、労働安全基準法のような法律もあるだろうが、こんな法律は何の役にも立たないことは写真が証明している。

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