2008年8月29日金曜日

悪い気分と良い気分

8/4
今日は、嫌な気分と良い気分を味わった。
最初は嫌な気分。
午後から企業研修の打合せに某企業のバンガロールオフィスを訪ねた。
某企業とは誰でもが知る大手の自動車会社である。
こちらで合弁会社を作って事業を展開している。
打合せ予定時間は午後1:30である。
タクシで彼らのオフィスに向かっていると、午後1:15頃に先方から「食事中なので午後2:00に延期する」と最初の電話が一方的に入った。
しばらくして、私たちは約束の10分前の午後1:20に予定通りに到着した。
受付で待っていると、先方から午後2:00過ぎに「到着しているか」との電話が入った。
そして、午後2:15に先方の人たちは現れた。
45分の遅刻である。

こんな事はインドでは良くあることらしい。
何も目くじらを立てる程のことではない。
私が嫌な気分になったのは、この後のことである。
実は某企業のメンバーの中に一人の日本人が含まれていた。
年のころ40-45くらいの肩書きはexecutive coordinatorであった。
聞きなれない肩書きであるが何でも最終決定権を持っているらしい。
2年程、現地に駐在している。
以前、インド人の研修担当者と打ち合わせしたときに彼の事が話題に挙がっていたので彼の名前は記憶にあった。
残念なことに想像どおりの人物であった。
一言でいうと、ヒューマンスキルが極めて低いのである。
私とは初対面でしかも大幅に遅れたにもかかわらず一言の侘びもなく、打ち合わせでは一方的に持論(と言ってもほとんどがT-wayの聞きかじり)を展開する。
途中でインド人の研修担当者が意見を言うと高圧的に発言を遮る。
打合せの体をなしていない。
他のインド人担当者4名は、ただ黙って座っているだけである。
しばらくして、先日、打ち合わせをしたインド人の責任者は黙って会議室から姿を消した。
今日の打ち合わせのテーマはCross culture研修である。
彼は、以前にFROで会った駐在員に顔つきもタイプも良く似ている。
明確な理由はないが、私はキツネ顔よりもタヌキ顔の方が好きだ。
会議後、インド人の若い担当者が「彼はあと1年で日本に帰ります」とうれしそうに私に言ったのが印象的であった。
これでは現地の日本人の評判が良くないハズである。
日本企業の駐在員はどのような基準で選ばれるかは知らないがアカデミックの面だけではなく、人間的な面からも考慮しなければ現地の信頼を得ることは難しいだろう。
この研修は、うまくいかないと直感した。
折角だがこの研修は断るつもりである。
お客を選べるというのも組織に属さない今の私の特権なのだから。

次は良い気分。
夕方に小さな友人が3人、我が家を訪れた。
例のBDA公園の兄弟達である。
姉が13歳、弟は10歳と5歳である。
散歩に行った公園で彼らの母親に偶然、出会った。
母親は30歳。
姉は17歳のときの子供になる。

インドでは若くして結婚する人が結構いる。
いわゆる低所得層に多い。
この訳はダウリにあるらしい。
ダウリは日本で言う結納金である。
額は知らないが、何しろ相当な額らしい。
ダウリが少ないと言う理由だけで花嫁が花婿の両親に殺されたことがあるらしい。
聞くところによると、ダウリの額は花嫁の年齢と関係し年をとるほど金額があがるらしい。
これゆえ、若年層での結婚が多いらしい。
見方によっては、合理的でなんとなく納得できる?

さて、母親と女の子の話に戻ろう。
女の子の目元は母親に良く似ている。
その母親は絶えず微笑みながら話をする。
私たちの事は既に子供から聞いていたらしい。
穏やかに気持ちの良い会話が進む。
私は思い切って兄弟を家に招待したいと言った。
母親はしばらく考え、5分待ってくださいと告げた。
私たちは公園を散歩して時間をつぶし再び訪れると既に兄弟は新しい服に着替えていた。
たいした事ではないかも知れないが何故か母親の子供に対する愛情を強烈に感じた。
それよりも、見ず知らずのそれも外国人に私たちの家も知らないのに子供が行くことを母親は簡単に承諾したのだろうか。
良く、人を見たら泥棒と思えと言う。
私たちが泥棒ではないと思ったからか。
何か他に期待するものがあったのだろうか。
直接、確かめた訳ではないが母親は私たちではなく、自分の子供を信頼しているからではかいかと思う。
清々しい気分になった。

BDA公園から私たちの家までは歩いて5分とかからない。
夕食は日本製のカレーであった。
兄弟はきちんとテーブルに座りおいしそうにすべてを食べた。
日本のカレーは始めてだったと思うが、とてもおいしいと言ってくれた。
ちょうど、林檎があったので夕食後に出した。
弟達はおいそうに食べたが、姉は食べようとしない。
嫌いなのかとも思ったがそうでもないらしい。
理由を重ねて聞くと、どうやら母親のお土産にしたいらしい。
こちらでは、林檎は比較的高価な果物である。
普段、余り手に入らないようだ。
母親の子に対する愛情と信頼と子の母親に対する思いやり、良い物を3つ見せてもらった。

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